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第89回アカデミー賞のノミネート作品が発表!VR作品『Pearl』が「短編アニメ部門」で賞を狙う

pearl2017年、現地時間の1月24日、アメリカで第89回アカデミー賞のノミネート作品が発表された。

アカデミー賞は、基本的にはアメリカ国内で制作された映画を対象とした映画賞に過ぎない。
しかし知名度の高さから見ても、あるいは授賞式のゴージャスさから見ても、世界で最も有名な映画賞であることに間違いない。

オスカーアメリカの映画芸術アカデミーの会員たちの投票によって、その年の最も優れた映画作品、最も優れたパフォーマンスを披露した俳優たち、最も優れた物語を紡いだ脚本家、最も優れた音響効果を生み出したスタッフ――などが選ばれる。
映画に携わる人々をたたえる祭典である。

授賞式は発表からノミネート発表から約1ヶ月後の2月26日――僕も含めた世界中の映画ファンが、ワクワクしながらその日を待っている。

そんなアカデミー賞のノミネート作品のひとつに、VR作品が選ばれている。
「短編アニメーション部門」で賞を狙う、パトリック・オズボーン監督作品『Pearl』だ。

『Pearl』はこんな映画!

フルCGのVRアニメ『Pearl』は、1台の車がたどった十数年間の歴史を描く作品だ。
カメラは車の前部に据えられ、観客は車内を眺めたり、車窓から外の風景を眺めたりして6分未満の時間のなかで描かれる世界を体感する。

そこで描かれるのは、車に乗ってアメリカを移動しながら路上ミュージシャンとして活動する父と、彼のひとり娘との歴史でもある。

父と娘若い自由人な父と、天真らんまんな子供時代の娘。
やがて年月が経って父は家を持ち、娘は成長して少女になり、反抗期を迎えて家出したり、友達と一緒に車に乗って夜の街を走り回ったり……。
それからまた月日が経って、今度は娘がギターを抱え、バンド仲間と一緒に広大なアメリカの大地に出ていき……と、車の中から見える親子の歴史、娘の青春などが描かれる。

娘と友達ひとつの家族がたどる歴史を、車の定点カメラで360度見回しながら体感できるつくりは、シンプルながら効果的。ストーリーの良さ、背後に流れるPollen Music Groupの手がける心にしみるような楽曲の良さもあって、よりじんわりと感動できる作品に仕上がっている。

現在YouTubeで「360度動画」として、またVRヘッドセット「HTC Vive」で見られるVRコンテンツとして発表されている『Pearl』。
完成度の高い作品だし、監督は、実はすでにアカデミー賞受賞の経験があるクリエイターである。
VR作品初のオスカー獲得!の可能性は、実は充分にあるのだ。

監督はアカデミー賞受賞経験あり!

第89回アカデミー賞で短編アニメーション部門にノミネートされている『Pearl』は、Google制作のもと、パトリック・オズボーンというウォルト・ディズニー・ピクチャーズのアニメーター出身監督によってつくられた。
オズボーン氏は短編アニメの世界ではすでに実績がある人物で、2017年現在、初の長編映画に挑戦することが発表されている。

彼のキャリアの成功を決定づけたのは、『Pearl』制作の2年前にさかのぼる2014年、第87回アカデミー賞において短編アニメーション賞を受賞した『愛犬とごちそう』を監督したことである。

愛犬とごちそう『愛犬とごちそう』は、同年公開のディズニー長編アニメ『ベイマックス』と合わせて公開された。
ジャンクフードが大好きな子犬のウィンストンのチャーミングな姿を描いたコメディで、すでに『Pearl』につらなるハート・ウォーミング・ストーリーの路線が確立されている。

近年のアカデミー賞は、数年連続で監督やカメラマンが賞を受賞することが珍しくない。

去年、映画監督アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥと組んでVR映画を制作することを発表したカメラマンのエマニュエル・ルベツキは、第86~88回まで3年連続で撮影賞を受賞するという快挙を成し遂げた。

アカデミー会員の皆さんが「これはいいものだ」と認めてくれれば、オズボーン氏が、すでに獲得したアカデミー賞短編アニメーション賞を再び獲得することも、決して夢ではない。

第89回アカデミー賞の授賞式――運命の日は2月26日だ。
刮目して待とう!