以前ここで紹介したルミエール・アワードの受賞作品が、2月13日に発表された。
ルミエール・アワードは、3DやVRをはじめとする最先端の技術を活用して制作された映像コンテンツをたたえる賞だ。
第8回を迎えた今回、VR部門が増設されたこの賞には、ここで紹介しているVRコンテンツのいくつかもノミネートされていた。
スター・ウォーズの世界で「ジェダイの騎士体験」ができる『Star Wars: Trial on Tatooine』や、アメリカの新聞社NYタイムスが制作したハリウッドの名優勢揃いの『Great Performers』などだ。
『Great Performers』は「VR-Journalism」の部門で、『Star Wars: Trial on Tatooine』は映画の世界を体感できるコンテンツを対象とした「VR-Film Experience」の部門で、それぞれノミネートされた。
「VR-Film Experience」には、ほかにも映画『オデッセイ』の世界を体感できるVRコンテンツ『The Martian VR Experience』がノミネートされていた。
果たして、これらの作品はめでたく賞を獲ることができたのだろうか?
VR映画体験賞は『Ghostbusters VR Experience』!
結果から言えば、ここで紹介したVR作品は、総じて受賞を逃している。
「VR-Film Experience」で受賞したのは、映画『ゴースト・バスターズ』(2016)の体験をすることができる『Ghostbusters VR Experience』だった。
『Ghostbusters VR Experience』はVRヘッドセットをつけ、ゴーストをつかまえるためのビームが出る例の銃をもって仮想現実に入り、縦横無尽に飛び回るゴーストたちと楽しく対決できるアトラクションだ。
ニューヨークにあるVRアトラクションを楽しめる施設「VEC」で体験できるコンテンツで、残念ながら今のところ日本国内で体験するのは難しい。
とはいえ公式サイトを見る限りチケットはネット上で購入できるようだ。
海を越えてでもこいつを体験してみたい!という方は、ぜひトライしてみてほしい。
VRジャーナリズム賞は『Take Flight』!
一方、「VR-Journalism」で受賞したのは、『Great Performers』と同じくNYタイムスが制作した『Take Flight』だった。
この作品もまた、『Great Performers』と同じくハリウッドの一流の俳優たちが出演したVR作品だ。
今年日本公開予定の映画『アサシンクリード』でも共演しているマイケル・ファスベンダーとマリオン・コティヤール、そしてアカデミー女優のシャーリーズ・セロンなどが出演している。
彼らと一緒にニューヨークの空に浮かび上がり、空中遊泳を楽しむという内容の作品だった。
NYタイムスの公式YouTubeチャンネルで360度動画として見ることができる。
その他の受賞作品
そのほか、VRゲームの部門ではファストフード店の店員やオフィスワーカーの体験ができる『Job Simulator』が、VRアニメ作品の部門ではOculusが制作した『Dear Angelica』が受賞した。
『Dear Angelica』は、OculusのVRデバイス「Oculus Touch」を使って仮想空間内で絵を描けるシステムが活用された作品である。
史上初の、いわば「VR空間内で制作されたアニメ作品」だ。
手描きで描かれた独特のアニメーションの中に僕たちも入り込み、ひとりの女性が思い描く美しい想像の世界を体感できる。
最先端のテクノロジーが使われ、さらに作品としての物語性も素晴らしかった。
文句なしの受賞である。
来年も見逃せない!
こうして、VR作品の祭典は幕を閉じた。
しかし、今この瞬間も新しいVRコンテンツは制作され続けている。
今年もまた、ルミエール・アワードにふさわしい作品が登場してくるに違いない。
そういう意味でも、今後もVRと映像のカンケイについてじっくり見ていきたいと思う。