HOME > VRでめくるめく官能映画の世界へ?『Fifty Shades Darker』のVRコンテンツ

VRでめくるめく官能映画の世界へ?『Fifty Shades Darker』のVRコンテンツ

fifty100年の歴史を持つ由緒あるハリウッドの映画スタジオであるパラマウントスタジオにて、2016年10月、VRに関するサミットが開催された。

サミット名は「VR on the Lot」。VRに関係するさまざまな会社、人物が参加しての白熱の議論が行われ、新たなVRゲームの紹介や映画監督による講義も行われたという。

講義のためにサミットの壇に上がった映画監督のひとりは、ジェームズ・フォーリーという名の人物だった。

自分が監督した作品のVRコンテンツの制作現場を間近で見た感想を述べるために、登壇したということらしい。

彼が監督し、VRコンテンツが制作された作品とは、世界中で大ヒットし、日本でもひそかな大人気を呼んだ官能映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(2015)の続編である『Fifty Shades Darker』(2007年公開予定)だ。

フォーリー監督は「フィフティ~」シリーズの3作目である『Fifty Shades Freed』(2008年公開予定)の監督もつとめる。

映画の内容に沿ったVRコンテンツ

「フィフティ~」シリーズは、あるときイケメンだがどこか影のある青年大富豪に出会った女子大生が、過激で切なく、限りなくエロチックなSMの世界に入り込んでゆく……という作品で、特に欧米では女性人気が非常に高い作品である。

第1作の映画化で監督をつとめたのは、もともと写真家として活躍していた女流映画監督のサム・テイラー=ジョンソンで、彼女は初監督作『ノーウェア・ボーイ ひとりぼっちのあいつ』(2009)では愛に飢える若きジョン・レノンの姿を繊細に描いて評価された。

そんな彼女の監督作らしく、「フィフティ~」の1作目は、いわゆる「官能映画」が宿命のようにまとっているある種のくさみがなく、描かれる内容はけっこう過激なのに切ない恋愛映画のような後味を残す不思議な映画に仕上がっていた。

官能映画1980年代から活躍し、手堅い演出で恋愛映画やサスペンス映画まで幅広くこなしてきたジェームズ・フォーリーは、予告編を見る限り1作目のスピリットを上手く引き継いだ続編を作っているようだ。

すなわち、エロチックでゴージャスだが派手ではなく、抑えた色調で切ない部分もある、そんな映画だ。

『Fifty Shades Darker』のVRコンテンツは、あるシーンの撮影が終わったあと専門のチームが現場に入り、撮影を行う形で制作されたという。

映画の現場をそのまま使ったものになるようだが、コンテンツの中身は未だに不明である。映画の内容が内容だけに、ちょっとドキドキしながら発表を待ちたい。

フォーリー監督、「映画はVRへ向かうだろう」と断言

これまで、名だたるハリウッドの名匠たちがVRについて言及してきた。

その素晴らしさを認めるのみにとどめる者や、慎重に取り入れていくべきだとする者、あるいは沈黙を守っている者など、十人十色の反応を見せている。

そんな中、「VR on the Lot」において、講義のために登壇したジェームズ・フォーリーは積極的に断言したという、曰く「映画はVRへ向かうだろう」。

ジェームズ・フォーリー
「なぜか?」とフォーリーは問いかけ、自分でこう答えた。「VRはビジュアル言語の拡張を可能にするからだ」専門チームが制作にあたった『Fifty Shades Darker』のVRコンテンツを自分で体験してみた結果、そのような実感を得たという。「あれは脳が拡張された感じだった」体験した感想を、フォーリー監督はそのように語っている。

現在のところ、スティーブン・スピルバーグやリドリー・スコットなどの映画監督が、VR映画の制作を発表している。

『Fifty Shades Darker』のVRコンテンツの制作に、フォーリー監督は直接かかわっていないようだが、遠くない日には、彼も自分の手で制作するVR映画を発表するかもしれない。