HOME > 日本にも登場!VR設備をそなえた映画館が2017年、吉祥寺に登場

RSS 新着ニュース











日本にも登場!VR設備をそなえた映画館が2017年、吉祥寺に登場

mk2ビブリオテーク
アメリカではIMAX社が音頭をとって「VRセンター」の開設が決まっており、フランスのパリではシネフィル(熱狂的な映画ファン)御用達の映画館である「mk2ビブリオテーク」がVR施設の開設を発表。
すでに、このような「映画館+VR施設」の取り組みは世界中で行われている。

1890年代、世界初の「映画」を開発したリュミエール兄弟がいたフランス。
『國民の創生』(1915)や『散り行く花』(1919)で「クローズアップ」や「カットバック」といった映画撮影の基本技術を「発明」したとされる映画監督、D・W・グリフィスがいたアメリカ(演技をする女優リリアン・ギッシュがあまりに魅力的だったので、思わずカメラを彼女に近づけて顔のアップを撮ったのが「クローズアップ」の始まり、というロマンチックな伝説がある)。

broken-blossoms_2

これらの国の映画館で、映画を次のフェーズへと押し上げるはずのVRが積極的に取り入れられる――それは、いわば「映画史の必然」であるといえるだろう。
しかし、嗚呼、早く日本にもそういう映画館が出来んものか……。

と、そんなふうに思っていたら日本でも先ごろ、VRを取り入れた映画館の開設が発表された。
2017年、東京は吉祥寺にオープンすることが決定した映画館「ココロヲ・動かす・映画館○」である。変わったネーミングだが、正式名称だ。
すでにイメージ図も発表されている。
図には、いかにも「オシャレタウンの代表格」である吉祥寺の街に似合いそうなカフェっぽい外観の建物が描かれていて、この名前のネオンが掲げられている。

「ココロヲ・動かす・映画館○」の中身を紹介!

堂々たる威容を見せる大劇場というよりは、親しみやすい小ぶりな雰囲気だ。実際、スクリーン数は3と大劇場に比べれば控えめな数字である。

ただし、通常上映用のスクリーンに加えて、2階には飲食が可能なカフェスタイルのゆったりシートで映画を上映できるスクリーンがあるというのがこの映画館のミソだ。
従来の方式でゆっくり映画を楽しみたい人のための席があり、映画をきっかけにカフェでいろんな人と出会い、楽しめるスペースも用意されているということだ。いろんな映画ファンの需要に応えた映画館なのだ。

ココロヲ・動かす・映画館○

そして、この映画館の3階にVR設備が置かれる。
さらに、映画関連のイベントを行えるスペースなども設置されるという。
2016年12月現在、「ココロヲ・動かす・映画館○」で楽しめるVRコンテンツの内容は不明だが、1階、2階のスクリーンで上映される作品は決定されている。
2015年、東京国際映画祭で好評を博した香港映画『レイジー・ヘイジー・クレイジー』や、同じく2015年に台湾でヒットした『私の少女時代-Our Times-』などである。

古き良き「35mmフィルム映写機」も設置!

IMAX社がアメリカ各地に設置する「VRセンター」と、2017年にVR設備を含む映画館としてオープンが決まった「ココロヲ・動かす・映画館○」――この2つの映画館のあいだには、大きな違いがある。
規模的にはIMAX「VRセンター」のほうがケタ違いに大きい、という点のほかにも。

ひたすら最先端を追求する「VRセンター」に対して、「ココロヲ・動かす・映画館○」では最先端のVRに目くばせしながらも、同時に今では「過去の遺物」となってしまった映画のテクノロジーにも目を向けている。
この映画館には、昔懐かしき古き良き35mmフィルム用の映写機が導入されるというのである。

「過去の遺物」となってしまった映画のテクノロジー

デジタルカメラで撮影し、デジタルデータとして上映する最先端の映画とは違い、一昔前まで、映画は幅35mmのフィルムで撮影され、上映のときは専用の巨大な映写機を使い、フィルムをスクリーンに投影させるという方法を使っていた。映写機に強い光を放つライトが仕込まれていて、その光によってフィルムに映ったものがスクリーンに投影される、という仕組みだ。

フィルム上映は、ヘタな映写技師に任せるとピントが合わずに全体的にぼやけたり、あまりに古いフィルムだと何が映っているのかわからなかったり、傷んで色が赤茶けてしまったりする。しかし一方で、何もかもキチッとしたデジタル上映とは違ってあたたかみと味わいが感じられるものだった。厚みがあって美しかった。

こだわりを持つシネフィルのなかには、「フィルム上映されるものこそ映画だ!(デジタル上映は認めない!)」という極端な意見すらあるくらいなのだ。

「ココロヲ・動かす・映画館○」では、2016年10月に閉館が決定した広島県の「シネツイン」から35mmフィルム用の映写機を譲り受け、VRコンテンツだけでなく映画のフィルム上映も可能にするという。
最先端のVRコンテンツ、古き良き映画のフィルム鑑賞――どちらも楽しめるというのが、日本の「ココロヲ・動かす・映画館○」の最大の特徴なのだ。
オープンのあかつきには、ぜひVRコンテンツの「体験」と、古い映画の「鑑賞」を同時に楽しめる映画館として、東京のオシャレさんたちに愛用していただきたいと思う。