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映画作家とVRのカンケイ:ついに真打登場か!?マイケル・ベイがVR映画の制作を発表

マイケル・ベイ
VRというテクノロジーが本格的に映像制作の現場に取り入れられるようになり、新作映画のプロモーション用コンテンツや短・長編映画作品の発表が相次ぎ、名だたる映画監督たちがぽつぽつと参入を宣言しているなかで、ついにというべきか、マイケル・ベイの名が挙がった。

2017年の夏に公開が決定している『トランスフォーマー/最後の騎士王』の監督をつとめるマイケル・ベイが、同作に関係するVR映画を制作するという話だ。

ここまで読んで、すでに脳が沸騰して、喜色満面で「イエス!」と叫びたくなった、むしろ今叫んでますという人も多いのではないだろうか。実は僕もそのひとりだ。ニュースを知った瞬間、小躍りしそうになった。
何といってもベイ氏だ。世の中がどんなに変化し、映画のトレンドがどんなに変わろうとも、愚直なまでに「大量破壊」をテーマに全世界の男の子の胸を熱く焦がす作品を世に送り出し続けているベイ氏がついに、その破壊の真っただ中に僕たちを放り込もうというのだ。これが興奮するニュースでなくて何だというのだろう!

トランスフォーマー
彼が手がけるVR映画の内容は明らかになっていないが、モチーフになるのは「トランスフォーマー」の世界で間違いなさそうだ。
2007年に始まり、10年目を迎える2017年、『最後の騎士王』で5作目になる「トランスフォーマー」シリーズは、スティーブン・スピルバーグが製作指揮をつとめ、CGIの技術をつぎ込んで車から変形する巨大ロボの大迫力の格闘戦を描いた人気シリーズだ。世に「何も考えずに楽しめる映画」という種類のものがあるが、このシリーズほどその評価が値するものはない。

“爆破の詩人”マイケル・ベイの仕事

誇り高き軍人の反乱と、彼の暴走を阻止しようとするFBIエージェントの熱い戦いを描いた『ザ・ロック』(1996)や、地球最後の日を回避するために奇想天外な作戦で隕石を破壊するミッションを担うことになった人々の奮闘を感動的に描く『アルマゲドン』(1998)などを観ると、初期の頃はド派手なアクションとスペクタクルを描く映画のなかにも、深みのある人間ドラマを織り込もうと試みてきた形跡がうかがえる。

『ザ・ロック』では、敵であるはずのエド・ハリス演じるテロリストの豊かな人間味が描かれて、単純な勧善懲悪アクションではない味わいが生まれたし、『アルマゲドン』では親子愛や恋愛などの王道テーマだけでなく、「最後の審判」の日を前に浮き彫りになるさまざまな人々の思惑が複雑に描かれた。

しかしどこかでそれは変わり、2007年の『トランスフォーマー』発表後は、憑かれたようにロボット同士の壮絶なバトル、そのなかで壊滅していく都市の緻密な描写、そしてスクリーン越しに爆風で火傷しそうな規模の爆破シーンが過剰なほどにたっぷりと描かれることになり、「爆発といえばこの人」と言われて映画ファンの間で面白がられるまでになった。

映画の世界では、『男たちの挽歌』(1986)や『レッド・クリフ』(2008~2009)をはじめとする作品を撮り、ほかに類を見ない独特の美学をもったアクションシーンの描写から「バイオレンスの詩人」と呼ばれる監督がいる。香港出身のジョン・ウーという監督だ。

それにならって呼び名をつけると、さしずめマイケル・ベイは「爆破の詩人」ということになるだろう。
圧倒的な爆破シーンの描写は他の追随を許さず、たとえば『トランスフォーマー/リベンジ』(2009)は公開当時、史上最も多く火薬が消費された映画といわれた。

トランスフォーマー/リベンジ
今回、発表されたのは、そんな監督のVR映画なのである。

没入度120%!?IMAXシアターでの上映が決定

アメリカではすでに、マイケル・ベイが制作を手がける「トランスフォーマー」がベースになったVR映画について、その上映時間や上映方法が決定しているという。
いわく、「時間は9分間」であり、「IMAXシアターで上映する」ということになるらしい。

観客は、VR映画鑑賞専用の「ポッド」が設置されたシアターで観ることになるだろう、ということも示唆されている。日本では先ごろ、3DCGアニメ映画『GANTZ:O』を題材にしたVRコンテンツを、原作マンガに登場する「ガンツ玉」を模した振動が伝わるタイプの特別な座席で観るというサービスが行われたが、それに似たものと考えてもいいのだろうか。

IMAX
いずれにせよ、「迫力感のある鮮明な映像を生み出す」ことを目指して生まれたIMAXとVRがミックスされれば、没入度はさらに高まるに違いない。しかも映画の制作はマイケル・ベイがつとめるというのだから、もうこっちとしては「楽しみだぜ!」以外のコトバが思いつかない感じである。