年を重ねて性格が偏狭になって来たせいか、ここ数年あまり映画館に行けなくなった。
9歳の頃から映画とあれば何でも観てきたし、劇場のスクリーンで観るのも大好きなのだが。
隣の席でカップルがイチャイチャする。子どもがあくびをする。後ろの席のおっさんがポップコーンをクチャクチャ食べる。前の席のオシャレ男子が大きな帽子をかぶっている……などなど、まわりの環境が気になりだして、「映画を楽しむ」よりも「人がたくさんいる場所に疲れる」ほうが多くなってきた、そんな昨今。
プロジェクターを買ってホームシアターを作ろうかと思ったこともあったけれど、部屋が狭くてそれも断念。DVDやBlu-rayを購入してちまちま観る日が続いていた……。
そんな中で発表されたのが、PSVRの発売だった。
PSVRの登場が僕にとって画期的だったのは、このアイテムに「シネマティックモード」が付いていることだ。
VRはゲームの世界に飛び込んで主人公になった気分を味わえる次世代のゲーム機として話題になっているけれど、僕にとっては「ひとりだけのコンパクト映画館」を実現した機器として、大注目なのだ!
目の前にスクリーンが!
VRヘッドセットを装着して「シネマティックモード」を選択すると、目の前に巨大なスクリーンが出てくる。
まるで映画館の席に座ってスクリーンを見上げている感覚。スクリーンまでの距離は2.5メートルで、ちょうどいい距離感だ。
VRの空間に映画館のスクリーンを設置したシネマティックモードは、PS4にBlu-rayを挿入すると目の前のスクリーン上で映像が再生される仕組み。
スクリーンのサイズはS、M、Lの3タイプあって、それぞれ117インチ、163インチ、226インチの大きさだ。わかりやすく言えば、サイズが大きくなる分だけスクリーンに近づいていく感じになる。僕は真ん中くらいの席で観るのが好きなので、Mサイズを利用する。
まさしく、映画館のシートに座って映画を楽しんでいるのと同じ感覚だ。SPVRには音声をサラウンド処理してくれるという機能があって、ヘッドホンを使えば音響も映画館で聞くのと同じく立体音響で楽しめる。ここも、注目ポイントのひとつだと思う。
映画ファンの夢が実現
ヘッドセットとヘッドホンをつけ、ソファにゆったりと体を落ち着ける。楽な体勢になって目の前のスクリーンに展開する大迫力の映画を楽しむ。ここにはイチャつくカップルもポップコーンを食べるおっさんもいない。おまけに、僕が選んだ僕の好きな映画作品だけが上映される。
まさに、すべての映画ファンが望む「自分だけの映画館」が実現したのである!
ちなみにHuluやNetflixもいち早くVRに目を付けており、VR向けに映像配信サービスを提供しているという。ゲームファンだけでなく映画ファンも大注目のアイテムなのだ。